スエズ運河で大型コンテナ船が座礁した事故で、物流停滞への懸念が強まっている。復旧のめどは立っておらず、船体が運河をふさいだ状態が長期化する可能性が出てきた。新型コロナウイルス流行の影響で生じた世界的なコンテナ不足に拍車を掛ける恐れもある。
 スエズ運河は、アジアと欧州を結ぶ海上輸送の要衝だ。日本郵船によると、世界全体のコンテナ輸送のうち、アジア―欧州間は1割を占める。そのほぼ全てがスエズ運河経由とみられる。
 日本郵船などが出資するコンテナ船運航会社オーシャンネットワークエクスプレスは2隻が運河で足止めされた。運河に入れず周辺に滞留する船も増えているという。
 トヨタ自動車や日産自動車、三菱自動車は輸出にスエズ運河を利用しており、各社が「影響について情報収集中だ」と注視する。日本への原油供給は運河を使わないため影響は限られそうだ。
 通行不能が続けば、南アフリカ・喜望峰を経由するルートに変更せざるを得ず、1週間程度の遠回りとなって費用も増える。「まだ回り道を決断できる状況にない」(国内海運大手)との声が多いが、ルート変更に踏み切る動きも出始めた。
 コンテナ不足も懸念される。コロナ禍による巣ごもり消費の急増などで昨年秋から世界的にコンテナ不足に陥った。今回の事故で船上に留め置かれるコンテナが増えれば、状況が一段と悪化しかねない。 

(ニュース提供元:時事通信社)