【ニューデリー時事】人口13億人超のインドで、新型コロナウイルスの新規感染者が急増し、「第2波」への懸念が高まっている。インドは、新型コロナワクチンを世界中に供給しており、感染急増により国内でのワクチン接種を急ぐため、世界保健機関(WHO)が主導するワクチン共同調達の国際枠組み「COVAX」などへの供給が遅れる見通しとなった。
 インド政府は27日、前日からの24時間の新規感染者が6万2000人を超えたと発表した。今年は2月末までは連日1万人台で推移してきたが、今月11日に2万人を上回ると、あっという間に感染者が増えた。
 モディ首相は17日の会議で「第2波をなんとしても食い止めなければならない」と檄(げき)を飛ばした。だが、新規感染者数は、「第1波」のピークだった昨年9月中旬(約10万人)に迫る勢いで増え続けている。
 インドでは既に、英国、南アフリカ、ブラジル型の変異株が見つかっている。加えて保健・家族福祉省は24日、新規感染者が特に多い西部マハラシュトラ州などで、二つの変異株の特徴を併せ持つ「二重変異ウイルス」が見つかったと発表した。最近の感染者急増と「直接的関係があるとはみていない」と説明したものの、不安が広がっている。
 また、今年1月からワクチン接種が始まったことで、市民からは異口同音に「安心して気が緩んだ」という声が上がる。街中でもマスクを着用しない人が目立つようになった。
 以前から世界のワクチンの約6割を供給してきたインドは、新型コロナに関しても英製薬大手アストラゼネカのワクチンをライセンス生産し、輸出している。だが、WHOとともにCOVAXを主導する国際組織「GAVIワクチンアライアンス」は今月25日、インドの「国内需要増加」を理由に、3~4月のワクチン提供に遅れが出る見通しを示した。 
〔写真説明〕インドの鉄道の駅で乗客に新型コロナウイルスの迅速抗原検査を実施する医療従事者=25日、ニューデリー(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)