【カイロ時事】イラン中部ナタンツの核施設で発生した電気系統の問題で、米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は11日、情報当局者の話として、大規模な爆発により地下にある遠心分離機へ電力を供給する内部システムが完全に破壊されたと伝えた。「テロ行為」と批判するイラン側は詳細を明かしていないが、被害は甚大とする見方が広がっている。
 ウラン濃縮活動が行われるナタンツの施設は、イラン核開発で中心的役割を担う。10日には新たな高性能の遠心分離機の稼働が発表されたばかりだった。タイムズ紙は爆発が「ウラン濃縮能力に深刻な打撃を与え、製造再開に少なくとも9カ月かかる」と報じたが、地元メディアによれば、サレヒ原子力庁長官は12日、「緊急電源が作動し、ウラン濃縮は進んでいる」と主張した。
 原因をめぐっては、イランと敵対するイスラエルの対外情報機関モサドがサイバー攻撃を仕掛けた可能性が取り沙汰されている。ただ、厳重に管理された独立系統の電気システムに被害が及んでいるため、サイバー攻撃を疑問視する声もある。情報当局者はタイムズ紙に対し「爆発物がさく裂した」と指摘している。
 イラン国営メディアによると、ザリフ外相は12日、「シオニスト(イスラエル)は、イランの制裁解除に向けた進展に報復したがっている。われわれも報復する」と明言。「(ナタンツの施設は)より高性能の遠心分離機で強化される」と強調した。 

(ニュース提供元:時事通信社)