中国・新疆ウイグル自治区での人権問題について、国内のアパレル企業などが対応に苦慮している。国際社会の関心が高まる中、「ユニクロ」などを展開するファーストリテイリングが9日、フランスのNGOなどから強制労働の恩恵を受けているとして告発される事態に発展。新疆産の綿花をめぐり、「無印良品」を手掛ける良品計画やアシックスなども難しい判断を迫られている。
 中国では、新疆産綿花を調達しない方針を示唆していたスウェーデンのヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)などへの不買運動が拡大。一方、人権意識が低いと見なされれば日本国内や欧米などで批判を浴びかねず、各社は板挟みの状態となっている。
 ファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は8日の決算記者会見で、新疆産綿花の使用の有無を問われ、明言を避けた。柳井氏は「全ての工場を監視し、問題があれば取引停止している」と話した。ただ、「それ以上は人権問題というより政治問題なのでノーコメント」と述べ、インターネット上で波紋を広げている。仏NGOなどの告発について、ファーストリテイリングは取材に対し「告発の詳細を把握していないためコメントはできない」と回答した。
 良品計画は同自治区には生産を直接委託している縫製工場はないと説明する。サプライチェーン(供給網)に間接的に関係がある同自治区の企業を調査。取材に対し「重大な問題点は確認できなかった」として、引き続き注意しながら取引を続けると回答した。12日時点で同社の「新疆綿」シリーズの製品は公式サイトから姿を消している。
 アシックスは「人権および環境に配慮した材料調達を行うようサプライヤーの指導を強化している」とコメント。新疆産の綿花を使っているかは明らかにしなかった。
 原材料の産地把握について、アパレル大手からは「可能な限りケアしているが、(取引などが)ゼロだと確認はできない」との声も聞かれる。 

(ニュース提供元:時事通信社)