【イスタンブール時事】トルコで4月中旬以降、暗号資産(仮想通貨)の交換業者が相次いで業務を停止し、少なくとも数万人の利用者が資金を引き出せない状況に陥った。通貨リラの下落でビットコインなど暗号資産の人気が高まる中、悪徳業者が市民を食い物にした疑いがある。当局は詐欺などの容疑で業者の関係者ら70人以上の身柄を拘束し、規制強化に乗り出した。
 交換業者トデックスの取引用ウェブサイトは4月20日に突然、「メンテナンス」を理由にアクセスできなくなった。アルバニアに出国したことが判明した社長は声明で「サイバー攻撃に遭った」と主張したが、地元メディアは「20億ドル(約2200億円)を持って高飛びした」と報道。同じタイミングで他の複数の業者も一時取引不能に陥るなどした。
 これに先立ち、トルコ中央銀行は同月16日、暗号資産に「重大なリスクがある」として決済での使用を禁止していた。規制への不安が換金の急増を招き、トラブルの連鎖につながった可能性がある。金融当局は今回の騒動について「制御の仕組みがない」(カブジュオール中銀総裁)と問題視。情報収集を進めるとともに、交換業者や利用者を監視することを決めた。
 インフレが激しいトルコでは、主に富裕層が外貨や金などで蓄財してきたが、最近のビットコインの急騰を背景に、暗号資産の存在感が高まっていた。大統領府傘下の宗務庁はかねて「不当利得」につながりかねないと指摘しており、イスラム色の強いエルドアン政権が今後一段と厳しい対応を取る可能性もある。 
〔写真説明〕トルコの暗号資産(仮想通貨)交換所=2020年9月、イスタンブール(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)