【モスクワ時事】ウクライナでロシアのプーチン大統領と親密な関係にある親ロシア派野党の国会議員の捜査が本格化し、プーチン氏が反発している。プーチン氏は14日の安全保障会議で「われわれに対する脅威が生じていることを念頭に、適時かつ適切に対応しなければならない」と警告。ロシア・ウクライナ間の新たな対立の火種となっている。
 ウクライナ検察は11日、親ロ派の議会第2党「野党プラットフォーム―生活党」の幹部メドベチュク氏に対し、国家反逆容疑で本格捜査を行っていると発表。ロシアが併合したウクライナ南部クリミア半島でロシアと共謀して天然資源を採掘しようとしたり、ロシアに機密情報を渡したりした疑いが持たれており、裁判所は13日、メドベチュク氏の自宅軟禁を決定した。
 メドベチュク氏は2月、「テロ資金提供」を理由にウクライナ国家安全保障・国防会議から制裁を科されていた。ゼレンスキー大統領は裁判所の決定を受け、メディアへの寄稿で「メドベチュク氏が国を脅かし、安全保障に破滅的な損害を与えるためにメディアや国家資産を使うことはできなくなった」と強調した。
 富豪でもあるメドベチュク氏は2000年代前半からプーチン氏と親交を結んでおり、ウクライナを代表する親ロ派政治家として、近年頻繁に訪ロ。プーチン氏は、メドベチュク氏の娘の洗礼に立ち会い、家族ぐるみの付き合いとされる。プーチン氏は安保会議で、捜査について「紛争の平和的解決やロシアとの善隣関係を支持する勢力の排除」が目的だと主張した。
 ウクライナ情勢をめぐっては、ロシアが今年3月下旬以降、対ウクライナ国境に軍部隊を集結させ、緊張が高まった経緯がある。ロシアは4月23日に部隊撤収を開始したと発表したが、ブリンケン米国務長官は今月6日、「かなりの部隊が残っている」と指摘した。 
〔写真説明〕14日、モスクワ郊外で、テレビ会議方式の安全保障会議に臨むロシアのプーチン大統領(AFP時事)
〔写真説明〕ウクライナの親ロシア派政党幹部メドベチュク氏=9日、キエフ(AFP時事)
〔写真説明〕ウクライナのゼレンスキー大統領=4月16日、パリ(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)