【イスタンブール時事】イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザで空爆を続けるイスラエル軍は15日、ガザ市にある米AP通信や中東の衛星テレビ局アルジャジーラの支局が入るビルを破壊し、「テロ組織のハマスが使っていた」としてこれを正当化した。イスラエルはハマスとの交戦が始まった10日以降、「自衛権」を根拠にハマス関連のインフラ破壊を続けている。
 激しい交戦は16日も続き、10日以降の双方の死者は合わせて190人を超えた。
 15日の空爆でビルは完全に崩壊した。イスラエル軍は「ビルにはハマス情報部門の軍事関連物資があった。ハマスはメディアに隠れ、人間の盾として使っていた」と主張。民間人の入居者には事前に警告し、退去を求めたと説明した。
 イスラエルのネタニヤフ首相はこの空爆の後、バイデン米大統領と電話会談を行った。ネタニヤフ氏はこの中で、イスラエルの自衛権に対する米国の支持への謝意を示した上で、作戦に際しては「(ハマスに)関与していない人々を傷つけないよう最大限の努力をしている」と強調した。バイデン氏はジャーナリストの安全確保の必要性を指摘した。
 ハマスがガザで支配権を握った2007年以降、イスラエルは大規模な軍事作戦を繰り返しているが、そのたびに国際社会で「過剰な武力行使」を批判する声が上がっている。ただ、米国は「テロとの戦い」と主張するイスラエルの立場を尊重する姿勢を取ってきた。
 バイデン氏は12日のネタニヤフ氏との電話会談で、イスラエルの自衛権への「揺るぎない支持」を表明。その後、現行の空爆作戦について「過剰ではない」と発言した。これに対し、パレスチナ議長府は「米国がイスラエルに対して沈黙し、その行動を自衛と表現したことが(民間人多数が犠牲になる)虐殺につながっている」と強く批判した。 
〔写真説明〕15日、パレスチナ自治区ガザ市で、イスラエル軍の空爆で炎を上げる、米AP通信などメディアの支局が入居するビル(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)