新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年1~10月、肺がんの治療を受けた新規患者が前年同期比で6.6%減ったことが17日、日本肺癌(がん)学会(東京都中央区)の全国調査で分かった。新型コロナ流行による受診控えやがん検診中止が影響したとみられ、約8600人が治療機会を逃した恐れがあるという。
 同学会は「がん発見に遅れが出ないよう、定期的な検診受診が重要だ」と訴えている。
 同学会は昨年10月末、全国の大学病院やがん専門病院などにアンケートを実施し、118施設のデータを解析した。その結果、手術や化学療法などを受けた肺がんの新規患者は2019年1~10月は1万9878人だったが、20年1~10月は約6.6%減の1万8562人だった。
 国内では年間約13万人が新たに肺がんを患うと推定され、このうちの6.6%に当たる約8600人が治療の機会を逃した計算になるという。
 データの詳細を見ると、新型コロナ患者を多く受け入れた施設ほど、肺がんの新規患者が減少する傾向がうかがえた。地域別では、新規患者が増加したのは北海道(0.4%増)のみで、減少幅は東京除く関東(9.7%)、北陸(8.8%)、東京(7.9%)、中部(7.6%)、東北(6.8%)の順に大きかった。関西や中国・四国、九州は3~4%台の減少だった。 

(ニュース提供元:時事通信社)