政府は28日午後、新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を開き、緊急事態宣言の延長を決定した。31日に迫っていた東京、大阪など9都道府県の期限を6月20日まで約3週間延ばし、飲食店などでの感染拡大防止策を継続する。菅義偉首相は記者会見で、7月23日開幕の東京五輪の開催準備を進める方針を重ねて表明した。
 首相は宣言延長の理由を「全国の新規感染者数は減少に転じているが、依然として予断を許さない状況だ」と説明。その上で「これからの3週間は感染防止とワクチン接種の二正面作戦の成果を出すための極めて大事な期間だ」と述べた。
 ワクチン接種に関しては「全国の大多数の市区町村で7月末までに高齢者の接種を終える予定」とした。五輪については「多くの方々の不安、懸念の声をしっかり受け止め、安全安心の大会に向け取り組みを進める」と強調した。
 延長されるのは北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県。東京と関西3府県は2回目の延長となる。沖縄県に発令中の宣言の期限である6月20日にそろえた。
 政府は新たな支援策も決定。首相は対策本部で「資金繰り支援のため、公庫などの無利子無担保融資を年末まで延長し、雇用調整助成金の特別措置を7月も継続する」と表明。生活困窮世帯に対し、一時的な生活資金を提供する「緊急小口資金」の貸付限度額に達した場合などに「新たに支援金を支給する」と述べた。
 宣言下の地域では、酒類・カラオケ設備を提供する飲食店への休業要請、大規模イベントは参加人数を上限5000人かつ収容率50%とし午後9時までとする制限を続ける。
 政府は基本的対処方針に取り組みの強化策を追加した。休業や営業時間短縮の要請に応じない飲食店に対し、「応じている店舗との公平性を保つ」ため、都道府県が命令を出すなどの「適切な運用を図る」ことを盛り込んだ。不要不急の都道府県間移動を控えるよう重ねて求めた上で、どうしても移動する場合は「出発前または到着地での検査の勧奨を進める」とした。
 宣言に準じた対策が可能となる「まん延防止等重点措置」についても、埼玉、千葉、神奈川、岐阜、三重の5県の期限を今月末から6月20日に延長。群馬、石川、熊本の3県の重点措置は6月13日までのままとした。 
〔写真説明〕9都道府県への緊急事態宣言などの延長を決め、記者会見する菅義偉首相=28日午後、首相官邸

(ニュース提供元:時事通信社)