新型コロナウイルス対策として9都道府県に発令中の緊急事態宣言は、6月1日から延長期間に入った。新たな期限となる同20日までに新規感染者数を減らし、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)状況を改善できるかが焦点。一方、政府はベトナムで確認された新たな変異株を警戒し、水際対策の一層の強化も検討する。
 菅義偉首相は31日の自民党役員会で、宣言延長に関し、「引き続き対策を徹底し、各地の感染を抑えていきたい」と表明。同時に「飲食店はじめ影響を受ける方々への支援はしっかり継続し、事業と雇用を守っていきたい」と述べ、経済の下支えにも全力を挙げる方針を示した。
 北海道、東京、愛知、京都、大阪、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県に対する宣言は5月31日までの予定だった。今回の延長により、6月20日までが期限の沖縄県にそろえる。この約1カ月後の7月23日に東京五輪の開幕を控え、政府はさらなる延長を回避したい考えだ。
 そのカギを握りそうなのが、感染力が強いとされる変異株の動向だ。英国型に続き、インド型の国内感染も確認され、政府は危機感を強めている。
 ベトナムで見つかった変異株は、英国型とインド型の特性を併せ持ち、ベトナムのロン保健相は「極めて危険」と警告。政府は世界保健機関(WHO)などと連携し、情報収集・分析を急ぐ。
 これに関し、加藤勝信官房長官は31日の記者会見で「現時点でわが国において感染者は確認されていない」と説明。ベトナム側などに確認した結果、ワクチンの効果などに関し、「影響があるとの証拠は示されていない」と語った。
 英国型やインド型の変異株をめぐっては、政府の水際対策の遅れから、国内に流入したとの見方がある。加藤氏は、今後の対応について「国民の不安を取り除く観点から、必要な措置を機動的に行っていきたい」と強調した。 
〔写真説明〕首相官邸に入る菅義偉首相=31日午前、東京・永田町

(ニュース提供元:時事通信社)