東芝の昨年7月の定時株主総会で、一部株主に不当な影響を与えたとする外部弁護士による調査報告書を受け、東芝は名指しで批判された社外取締役らを再任案から除外する「奇策」に出た。14日には永山治取締役会議長が新たな取締役を起用する方針を示し、事態収拾を図った。だが、繰り返される東芝のガバナンス(企業統治)不全に不信感は一段と強まっており、25日の定時総会も波乱は必至だ。
 「経済産業省との関係性を含め、ガバナンスの認識が十分でなかった点など、改善すべき点が多々ある」。永山氏は会見で東芝の不備を認め、改革に取り組む姿勢を強調した。
 今年の定時総会に向け、東芝は当初、13人の取締役選任案を総会に諮る予定だった。しかし、10日に公表された外部弁護士による調査は、追加調査は不要と結論付けた東芝監査委員会の「機能不全」を厳しく指摘。これを受け東芝は、委員長を務める社外取締役の太田順司氏らは株主から信任が得られないと判断、定時総会直前の選任案差し替えに踏み切った。
 だが、一部取締役の退任で思惑通りに定時総会を乗り切れるかは不透明だ。米議決権行使助言会社は、永山氏を含め一部の取締役選任への反対を推奨している。さらに、大株主の3Dインベストメント・パートナーズは、同氏を含む取締役4人に辞任を求めている書簡を送った。
 東芝は昨年の定時総会の再調査や、株主の意向を踏まえた新しい取締役選任などの方針を示し、理解を得たい考え。ただ、2015年の不正会計発覚以降、東芝の企業統治不全は根絶されておらず、取締役全員が選任されるかはなお予断を許さない。 

(ニュース提供元:時事通信社)