2018年の大阪北部地震ではブロック塀の危険性が浮かび上がった。地震を受け、ブロック塀の耐震診断を義務付ける制度が導入され、学校などでの安全対策も進んだが、民間所有のブロック塀の実態把握は進んでいない。首都直下地震や南海トラフ巨大地震が起きる可能性もある中、専門家は「避難路確保の観点からも対応を急ぐ必要がある」と指摘する。
 地震後、耐震改修促進法の政令改正で、自治体によるブロック塀の耐震診断の義務付けが可能になった。
 大阪府は、救助や物資輸送などに使う「広域緊急交通路」のうち295キロの沿道にある民間所有のブロック塀の耐震診断を義務付けた。報告対象は20年度末で206件に上る。ただ、同様の耐震改修計画を定めるのは東京、愛知、岡山の3都県と、大阪、岡山両府県内の22市町にとどまっている。
 こうした中、学校敷地内のブロック塀対策は進展した。文部科学省の20年の調査では、全国の小中高校や幼稚園など約5万1000校のうち9割で安全確認が済んだ。残る施設も大半で対応のめどが付いたが、通学路の多くは手付かずとみられる。
 ブロック塀の安全対策に詳しい最知正芳東北工業大名誉教授は「学校は避難所になるため、周辺道路は優先して対応すべきだ」と指摘。国内には危険なブロック塀が多数残っているといい、撤去が難しい場合は高さを低減する改修を提案している。 
〔写真説明〕大阪北部地震で倒壊し、下敷きとなった女児が死亡した市立寿栄小学校のプール外壁=2018年6月18日、大阪府高槻市

(ニュース提供元:時事通信社)