新型コロナウイルスワクチンの普及加速に向けた企業や大学などによる職域接種が21日、本格的に始まった。政府によると、同日午後5時時点で累計3795会場、1464万人分の申請があった。コロナ禍克服へ、全国の大企業や大学のほか、中央官庁などでも一斉にスタートした。
 大企業による職域接種では、イオンが年内に約40万人、ソフトバンクグループが近隣住民らも含めて約25万人を目標に実施。NTTグループが約16万人、日本郵政グループは約13万人、森ビル、セブン&アイ・ホールディングスが各約10万人、トヨタ自動車が約8万人、サントリーホールディングスが約5万2000人、JR東日本が約2万2000人を計画している。企業の多くは今秋から年内をめどに終える予定だ。
 イオンはこれまで、全国の自治体に接種会場を提供してきたが、自社でも大規模な職域接種に踏み切る。イオンモール幕張新都心(千葉市)では、従業員ら500人が次々に接種を受けた。トヨタ自動車は自社の産業医や看護師を活用し、1日最大1万人の接種を目指すという。
 JR東日本では、運転士らを対象に接種がスタート。首都圏を走る京浜東北線に乗務員として勤務する男性社員(41)は「安心してお客さまに接することができる」と胸をなで下ろした。
 職域接種でワクチンが普及すれば、経済活動の正常化も期待される。伊藤忠商事の岡藤正広会長は接種会場を視察した加藤勝信官房長官に、ワクチンの接種歴を証明する「ワクチンパスポート」の実用化を「早急にお願いしたい」と要望した。
 大学は、17日昼時点で174校が申請し、21日から東北大や徳島大、慶応大、関西大など17大学で学生や教職員向けに開始。成田、羽田両空港に勤務する入国審査官らへは今週から順次始まり、東京・霞が関の文部科学省では中央省庁の国家公務員に接種が行われた。 
〔写真説明〕新型コロナウイルスのワクチン接種を受けるイオングループの従業員(左)=21日、千葉市美浜区
〔写真説明〕イオンが実施する新型コロナウイルスワクチンの職域接種会場で、接種を終え副反応観察のため待機する従業員=21日、千葉市美浜区
〔写真説明〕トヨタ自動車のワクチン接種会場=21日午後、愛知県豊田市の同社本社体育館(同社提供)

(ニュース提供元:時事通信社)