静岡県熱海市で発生した土石流は、上空に停滞した活発な梅雨前線により、記録的な雨量になったことが要因と考えられる。熱海市には前日から土砂災害警戒情報が発表されていたが、大雨特別警報は発表基準に満たず、出されなかった。
 静岡地方気象台によると、同県には1日ごろから上空に梅雨前線が停滞した。ここに暖かく湿った空気が流れ込み、活動が活発化して大雨をもたらした。
 3日午後4時までの72時間雨量は静岡県富士市で508.5ミリと、この地点の歴代記録を更新。土石流現場から南に約8キロ離れた熱海市網代は409.0ミリと、7月としては最多となった。
 大雨の中、熱海市には2日午後0時半に土砂災害警戒情報が発表され、土石流が発生した時まで出続けていた。一方、大雨を降らせる「線状降水帯」の発生情報や、重大災害への警戒を呼び掛ける大雨特別警報は出されなかった。
 気象庁は昨年7月、土砂災害の短時間指標などを改善し、大雨特別警報の精度を向上させていた。静岡地方気象台の担当者は、今回の雨は発表基準に達していなかったと説明。「特別警報が出なくても災害につながることはある」として、注意を呼び掛けた。 
〔写真説明〕3日午前に撮影された静岡県熱海市伊豆山地区の土石流発生現場(住民の男性提供)

(ニュース提供元:時事通信社)