世界的な半導体不足の影響が電気製品に波及し始めた。カー用品や家庭用ゲーム機が品薄状態に陥り、本格的な出荷シーズンを迎えたエアコンは一部メーカーが生産調整を迫られている。減産による納期の遅れが相次ぐ自動車にとどまらない深刻な事態で、景気回復にも影を落としかねない。
 東京都内のカー用品店では、カーナビやカーオーディオに品切れの表示が目立つ。自動車用品大手オートバックスセブンの担当者は「売り上げに影響が出るほどだ」と嘆く。製品を生産するJVCケンウッドは、半導体不足の影響が今夏いっぱいは続くと見ており、設計変更などで乗り切る方針だ。
 新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり」で人気を集めるゲーム機は、ここにきて販売に息切れの兆しがうかがえる。任天堂の古川俊太郎社長は「生産計画に不透明感が増している」と、家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」の今年度販売計画を前年度実績より約1割少ない2550万台にとどめた。「プレイステーション5」を昨年11月に発売したソニーグループも「急な増産には対応できない」(十時裕樹副社長)状況だという。
 半導体大手ルネサスエレクトロニクスの工場火災などの影響で、富士通ゼネラルはエアコンの部品が手に入らず、生産に支障が出ている。担当者は「今後の調達も不透明だ」と漏らす。家電量販大手ノジマはパソコンやプリンターなどの品切れを懸念し、在庫を「早めに多めに」確保するなど対応に追われる。
 国際半導体製造装置材料協会(SEMI)によると、半導体メーカー各社が発表した新たな生産拠点の着工計画は2022年までに世界29カ所に上る。ただ、実際の稼働までには2年以上かかる見通しで、欲しい商品が手に入りにくい状況は当面続きそうだ。 
〔写真説明〕半導体不足の影響で品切れの表示が目立つカーナビやカーオーディオ=2日午後、東京都江東区

(ニュース提供元:時事通信社)