静岡県熱海市で発生した土石流をめぐり、難波喬司副知事は7日、県庁で記者会見し、盛り土が崩落した起点部分の土地開発に関わった業者に対し、県や市が是正指導していたことを明らかにした。盛り土の量が申請時の1.5倍だった疑いも判明。県土採取等規制条例違反の可能性もあり、経緯を詳しく調べる。
 難波副知事によると、崩落現場周辺の土地は開発業者が2006年に取得し、07年に盛り土をすると市に届け出た。その後、無許可の林地開発が判明したため、県が文書で指導。工事は3年後に完了したが、産業廃棄物の木くずが混入していたことが分かり、市と県が10年に是正指導して撤去を求めた。
 業者は盛り土の工事を申請する際、市に約3万6000立方メートルと届け出ていたが、実際は約5万4000立方メートルだった。盛り土の高さも、県の技術基準では15メートルまでと定められているが、実際は推定50メートルまで積み上げられていた。
 崩落現場は水の通り道になっていたが、水を抜くための排水溝や災害防止に必要な砂防ダムが不十分だった可能性も明らかになった。盛り土にはプラスチック片などの廃棄物も含まれており、難波副知事は「盛り土の工法は不適切だったと思う」と述べた。 
〔写真説明〕土石流の起点となった崩落現場付近=5日、静岡県熱海市(時事通信ヘリより)

(ニュース提供元:時事通信社)