政府は5日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、まん延防止等重点措置の適用対象に福島、茨城、栃木、群馬、静岡、愛知、滋賀、熊本の8県を追加することを決めた。期間は8日から31日まで。インド由来のデルタ株流行の勢いを止められず、重点措置の対象は13道府県に拡大する。菅義偉首相は席上、「首都圏をはじめ多くの地域で、これまでに経験したことのない感染拡大が進んでいる」と危機感を訴えた。
 東京都では新たに過去最多となる5042人の感染が判明した。首相は「デルタ株は従来とは比較にならない感染力を持つと言われている」と指摘。国民に「夏休み期間も不要不急の外出、帰省や旅行は極力控えていただくようお願いする」と呼び掛けた。
 首相はこの後、記者団の取材に応じ、8県を追加した理由について「デルタ株によって感染が急速に広まっており、各県の感染者数や病床状況を総合的に判断した」と説明。全国一斉の緊急事態宣言発令は「考えていない」と否定した。
 西村康稔経済再生担当相は5日の衆院議院運営委員会で「全国を緊急事態宣言の対象とすることも私自身、頭に置いてさまざまな検討を進めてきた」と明かした。これに先立つ基本的対処方針分科会では、専門家から現状について「非常に危機的な状況だ。全国的に緊急事態宣言を出した方がいい」と求める声があった。
 宣言は首都圏4都県と大阪府、沖縄県に発令中。重点措置を適用されている福岡県が宣言への「格上げ」を政府に要請したが、今回、追加発令はなかった。 
〔写真説明〕新型コロナウイルス感染症対策本部で発言する菅義偉首相(右から3人目)=5日午後、首相官邸

(ニュース提供元:時事通信社)