小田急線車内で6日夜、乗客の男女10人が男に刃物で切り付けられるなどして重軽傷を負った。近年、走行中の新幹線車内で乗客が殺傷される事件が相次ぎ、国土交通省は7月、駅員が乗客の手荷物検査をできるよう省令を改正。ただ、全ての荷物を検査するのは難しく、実効性に疑問が残ったままだった。
 2015年6月、新横浜―小田原間を走行していた東海道新幹線の車内で男がガソリンをかぶって焼身自殺し、乗客の女性が巻き添えになって死亡した。18年6月には同新幹線内で乗客3人が刃物で切り付けられ、男性1人が殺害される事件も起きた。
 これらの事件を受け、国交省は今年7月に省令を改正。駅員や警備員が乗客に手荷物検査を求めることができるようになり、拒否した場合は車外や敷地外へ退去させる権限が与えられた。JR東日本は東京五輪・パラリンピック期間中に限定し、主要駅や新幹線車内で探知犬が反応した荷物を検査するなどしている。
 一方、乗降客の多い鉄道路線で全ての荷物を検査するのは現実的ではないとの指摘は以前からあった。小田急電鉄によると、同社は新型車両の車内に防犯カメラを設置するなど警備を強化していたが、検査は実施していなかった。同社担当者は「空港の保安検査のようなことができるのか。お客さまの理解を得られるのか」と話している。 

(ニュース提供元:時事通信社)