【ニューデリー時事】アフガニスタンの反政府勢力タリバンが13日、首都カブールに隣接する東部ロガール州の州都を制圧した。カブールまで直線距離で約50キロまで迫り、軍事的緊張が高まっている。政府側は12日以降、人口第2位の南部カンダハル、第3位の西部ヘラートも失った。
 このほか、タリバンは13日に、3州都を新たに制圧したと宣言。34州都中、過半数の18都市を押さえた形となった。州都陥落は8日連続。政府軍は士気が低く、米同時テロ20年を前に後ろ盾の駐留米軍が撤収を完了しつつある中、防衛に打つ手がない状態だ。
 カンダハル陥落に際し、政府軍の車両が次々と市内を出て行く場面とされる映像がインターネット上に投稿された。ヘラート陥落についても、治安筋はAFP通信に「さらなる破壊を防ぐため街を出なければならなかった」と釈明したものの、最後までタリバンから市民を守ろうとする姿勢は見えない。ヘラート州では、かつて対タリバン戦で名をはせ、州知事も務めたイスマイル・カーン氏が拘束された。
 米軍など駐留外国部隊の撤収が正式に始まった今年5月以降、タリバンは攻勢を強めた。政府軍は「戦略的撤退」(国防筋)を繰り返し、今や勢力圏の中心都市はカブール、北部マザリシャリフなど数カ所だけだ。
 バイデン政権の米軍撤収方針に対し、野党・共和党のマコネル院内総務が12日、「アフガンが予測も回避もできるはずの破滅的状況に向かいつつある」と批判。バイデン大統領は、米大使館員の退避支援のため3000人の部隊をカブールに送ることを決めたが、対タリバン戦については「自分たちの国のために戦わなければならない」とアフガン軍に奮起を促すにとどまっている。
 アフガン政府はタリバンに対し、停戦と引き換えにタリバンへの一部権力の移譲を提案したもようだ。しかし、これまでの和平プロセスでは、ガニ大統領が自らの退任につながる恐れのある権力割譲を拒んできた。タリバンと関係の深いパキスタンのカーン首相は11日、「ガニ氏が大統領でいる限り、タリバンは交渉に応じないだろう」とロイター通信に語った。 
〔写真説明〕アフガニスタンの反政府勢力タリバンの兵士ら=9日、同国クンドゥズ州(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)