九州北部では停滞する前線の影響で記録的な大雨となり、気象庁は14日午前2時15分に佐賀、長崎両県の一部、同5時50分に福岡県の一部に大雨特別警報を相次いで発表した。これらの地域では雨雲が連なる線状降水帯が発生したとの「顕著な大雨に関する情報」も出した。
 特別警報の対象は順次追加され、佐賀県が佐賀市と多久市、小城市、鳥栖市、神埼市、吉野ケ里町、武雄市、大町町、江北町、白石町、鹿島市、嬉野市、有田町。長崎県が長崎市と西海市、佐世保市、東彼杵町、川棚町、波佐見町。福岡県が久留米市、小郡市、朝倉市、大牟田市、八女市、大川市、みやま市、大木町。
 同庁気象監視・警報センターの足立勇士所長は記者会見し、「何らかの災害が既に発生している可能性が高く、直ちに身の安全を確保しなければならない状況だ」と呼び掛けた。長引く大雨で土砂災害や河川の氾濫、家屋などの浸水の危険度が高まっており、最大級の警戒が必要という。
 佐賀県などによると、複数河川で護岸が崩れ、武雄市を流れる六角川で氾濫が発生した。鳥栖市では排水施設が冠水のため停止し、県は市街地が水に漬かる「内水氾濫」の危険性があるとした。
 前線は九州北部から関東に延び、今後1週間程度、本州付近に停滞する見込み。13日には広島市で一時、大雨特別警報が出ており、西・東日本と東北の広い範囲で大雨になる恐れがある。
 嬉野市では14日午前1時50分までの1時間に80.5ミリの猛烈な雨が降った。同6時40分までの72時間(3日間)雨量は876.0ミリに上り、この地点の観測史上最多記録を更新した。同市などでは5段階の警戒レベルで最も高い「緊急安全確保」が発令された。
 15日午前6時までの24時間予想雨量は多い所で、東海300ミリ、九州北部・南部と四国、近畿、関東甲信250ミリ、中国200ミリ、北陸180ミリ、東北100ミリ。
 その後、16日午前6時までの同雨量は、九州北部・南部、近畿100~200ミリ、四国と東海、関東甲信100~150ミリ、中国と北陸、東北50~100ミリ。 
〔写真説明〕六角川が氾濫して冠水した佐賀県武雄市北方町=14日午前(九州地方整備局提供)
〔写真説明〕武雄川が氾濫して冠水した佐賀県武雄市朝日町=14日午前(九州地方整備局提供)

(ニュース提供元:時事通信社)