九州北部を襲った記録的な大雨で14日、佐賀県武雄市を流れる六角川が氾濫し、市内の住宅街も冠水した。「被害を確認するにも、水が引かないと何もできない」。一向にやむ気配のない雨に、流域の住民からは不安の声が漏れた。
 同市によると、建物の浸水被害は床上床下合わせて1000戸を超える可能性がある。人的被害は確認されていないが、県や消防は逃げ遅れた住民の救助を進めた。
 同市で洗車場を営む朝重圭太さん(32)は、店のシャッターを閉めて車やバイクを格納したが、水圧でシャッターが押し曲げられ隙間から水が浸入した。車はボンネットまで水に漬かり、バイクはほとんど見えなくなったという。自宅は山に近く、「土砂崩れが起きたら危ない」と話した。
 同市の彫刻店の男性(46)は地元消防団の救助活動に参加した。自身の店も浸水し、在庫の商品が水に漬かり、「小さい店で100万円程度の損害だが、それでもしんどい」と肩を落とした。
 越水した場所の近くでガソリンスタンドを営む女性(63)は「事務所や地下の作業室にもあっという間に水が入り込んできた。地下室は冠水し、排水ポンプがないと水がくみ出せない」と困惑。「こんなことは初めてで恐ろしい」と声を震わせた。
 同市に隣接する大町町などによると、同町の順天堂病院が10センチほど床上浸水した。同病院は2年前の豪雨でも浸水被害に遭った。入院患者や職員は2階以上に避難して無事だが、周囲の道路が冠水して孤立しており、県が対応を検討している。 
〔写真説明〕六角川が氾濫した佐賀県武雄市=14日午後(九州地方整備局提供)
〔写真説明〕氾濫が発生した、佐賀県武雄市を流れる六角川=14日午後(九州地方整備局提供)

(ニュース提供元:時事通信社)