【ワシントン時事】米政府は21日、イスラム主義組織タリバンが制圧したアフガニスタンの首都カブールの空港周辺で「安全上の脅威」が発生する恐れがあるとして、米国民に空港へ向かうことを避けるよう勧告した。国防総省は22日、米民間航空会社に退避活動支援を要請。米メディアによると、日本や韓国、ドイツなどにある米軍基地をアフガン人避難民の一時収容先候補として検討しているという。
 空港近くの検問所では、タリバン戦闘員が国外退避を目指す市民を脅すなど混乱が続いており、AFP通信が英国防省の声明として報じたところでは、アフガン市民7人が空港付近の混乱の中で死亡した。CNNによれば、空港に向かう途中で米国人が暴行を受けるケースが出ている上、空港が過激派組織によるテロ攻撃の標的になる可能性があるという。
 国防総省によると、アフガンからの退避者移送を支援するため、アメリカン航空など主要民間航空会社の民間機18機を動員する。カブールには飛行せず、アフガン国外の一時退去先からの移送に限られる。有事に民間機を動員する「民間予備航空隊(CRAF)」という制度に基づく措置。
 避難民の収容に関しては、米東部ニュージャージー州の基地で仮設住宅の設営が進んでいる。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)はこれに関し、バージニア、カリフォルニア両州などにある米本土の複数の基地に加え、日韓独やコソボ、バーレーン、イタリア各国内の米軍基地も一時収容先の候補として検討されていると報じた。
 国防総省によると、カブール陥落前日の今月14日以降、米国人2500人を含む約1万7000人がアフガンから退避した。バイデン大統領は21日、地元デラウェア州入りを取りやめ、ホワイトハウスで政権幹部とアフガン情勢について協議した。 
〔写真説明〕国外退避を希望してカブールの空港近くに集まったアフガニスタン人ら=20日、カブール(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)