【ニューデリー時事】アフガニスタンの首都カブールでの連続テロ実行を認めた過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力は、国家運営の実権を掌握したイスラム主義組織タリバンと対立関係にあるとされる。タリバンは国内をテロの温床としないことを宣言したものの、今回の攻撃でアフガンに巣くう過激派の封じ込めが難しいことが明確になった。
 犯行を宣言したのは、IS系勢力「イスラム国ホラサン州」(IS―K)。2015年1月に、「ホラサン」と伝統的に呼ばれる、イラン北東部からアフガンやパキスタンにわたる範囲を領土と宣言した。当時はシリアとイラクで、IS本体が支配地域を維持していた。
 IS―Kは、過去にシリアやイラクで勢力を急拡大させたIS本体の影響を受け、「ホラサン」域内でメンバーの募集、訓練を行い、戦闘やテロ攻撃を実施してきたとされる。ただ、国連が今年6月に公表した報告書はIS―Kについて、シリアなどでのIS掃討により「本体からの資金面での支援は実質的に途絶えたと信じられている」と説明している。中核となる戦闘員数は1500~2200人程度という。
 IS―Kは、強硬なイスラム原理主義の立場を取る点ではタリバンと同じだが、アフガン農村部の伝統に根差したタリバンの土着的、実利的側面は共有していない。外国軍の撤収実現を最優先して米国と昨年2月に和平合意を結び、国土を他国へのテロに利用させないと申し合わせたタリバンを、IS本体は機関誌で「十字軍」と手を組んだ「背教者だ」と強く批判した。
 米軍はアフガン民主政権下でIS―K壊滅を図り、17年には拠点に大規模爆風爆弾(MOAB)を投下。タリバンも和平合意後、IS―K掃討への協力を誇示するようになった。
 ただ、タリバンは一枚岩ではない。和平合意に象徴される「現実路線」に反発するメンバーも少なくないとされ、国連報告書は、タリバン内の最強硬派グループ「ハッカニ・ネットワーク」とIS―Kの密接な関係を指摘した。
 タリバンの戦闘員の一部が、上層部から支払われる報酬に不満を抱いているとの情報もある。タリバンがアフガンの治安改善を含めた統治を進めていくには、IS―Kに呼応しかねないタリバン構成員の統制が不可欠となる。 
〔写真説明〕27日、カブールの空港付近で起きた連続テロの現場で警戒に当たるイスラム主義組織タリバンの戦闘員(AFP時事)
〔写真説明〕米軍が大規模爆風爆弾(MOAB)を投下した現場の被害状況を調べるアフガニスタンの治安部隊員=2017年4月、東部ナンガルハル州(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)