東京・池袋で2019年4月、母子2人が死亡、9人が重軽傷を負った乗用車暴走事故で、自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)罪に問われた旧通産省工業技術院元院長、飯塚幸三被告(90)の判決が2日、東京地裁であった。下津健司裁判長は「過失は重大。事故への反省の念もあるとはいえない」として禁錮5年(求刑同7年)の実刑判決を言い渡した。
 下津裁判長は事故原因について、アクセルとブレーキの踏み間違いによるものと認定。事故車両には定期点検や事故後の検査でも異常はなかったとし、車両の不具合が事故原因とする弁護側の無罪主張を退けた。
 その上で、アクセルとブレーキを的確に操作することは、「年齢にかかわらず求められる最も基本的な注意義務の一つ」と指摘。被告は義務を怠り、踏み間違いに気付かないまま車両を加速させており過失は重大だと批判した。
 母子2人が死亡したことについて、「2人の無念さは察するに余りあり、遺族の喪失感も全く埋められていない」と言及。被告は法廷で謝罪の言葉を口にしたものの、過失を否定する態度に終始しており、高齢なことや厳しい社会的非難を受けたことを踏まえても「長期の実刑は免れない」とした。 

(ニュース提供元:時事通信社)