政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会(尾身茂会長)は3日、今秋を念頭にワクチン接種が進んだ段階で、日常生活における行動制限の緩和に関する提言をまとめた。接種の完了やPCR検査の陰性証明を条件に、県境を越える旅行や全国的な大規模イベントなどを容認することが柱。政府はこの提言を踏まえ、来週にも制限緩和の行程表(ロードマップ)を取りまとめる方針だ。
 提言は、他人に新型コロナを感染させるリスクが低いことを示す仕組みとして「ワクチン・検査パッケージ」導入を発案。マスク着用など基本的な感染対策を前提に、同パッケージ活用の具体例として▽医療機関、高齢者施設での入院患者・入所者との面会▽大学の対面授業▽部活動▽大人数の会食・宴会―などを挙げた。
 一方、大規模商業施設や飲食店での活用については、適用の是非を「検討すべき」とするにとどめた。これに関し、分科会メンバーは「日常生活により近い場面で接種・陰性証明を求めるのは厳しすぎる」と説明。提言では、修学旅行や入試、選挙の投票、小中学校の対面授業などには「適用すべきではない」と明記した。
 緊急事態宣言が発令された場合は、再び行動制限を強める可能性があるとした。尾身会長は3日の記者会見で、提言について「現在の緊急事態宣言の解除とは全く別の話だ」と述べた。
 提言ではまた、ワクチンの効果をめぐり、感染力の強いデルタ株の拡大に伴い、接種後も感染する「ブレークスルー感染」が一定程度生じると指摘。希望者全ての接種が終わっても「集団免疫の獲得は困難」と記した。 
〔写真説明〕新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長=8月26日、国会内

(ニュース提供元:時事通信社)