【ニューヨーク時事】新型コロナウイルスの変異株「デルタ株」が猛威を振るう中、感染拡大を防止しようと、米企業の間で従業員にワクチン接種を義務付ける動きが加速してきた。米コンサルティング会社ウイリス・タワーズワトソンの調査によると、企業の約半数が一部または全ての従業員を対象に、年末までに接種を義務化する計画だ。
 米当局は8月23日、米ファイザー製のワクチンを正式承認。ウイリス社はこれを契機に「さらに多くの企業が(ワクチン接種を)義務化していくだろう」と予測している。
 調査は8月18~25日、961社(従業員計約970万人)を対象に実施。21%の企業が全従業員へのワクチン接種の義務化を検討していると回答したほか、約30%が接種を出社の条件にする計画だと答えた。既に義務付けた企業は21%に上った。
 米国では昨年末にワクチンの緊急使用が認められたが、当時は義務化への抵抗感が大きかった。ロイター通信によれば、義務付けに反対した従業員や学生が企業・大学を相手取り、訴訟を起こすケースが少なくとも十数件あったといい、多くの企業は強制接種に二の足を踏んだ。
 しかし、先月の正式承認後は、国防総省が米軍兵士に、ニューヨーク市が教職員に、ワクチン接種を義務付けた。潮目は変わり、ITから金融、メーカー、流通まで、民間企業に義務化の波が押し寄せている。
 米政府の独立機関「雇用機会均等委員会」は、体質や宗教上の理由でワクチン接種を受けられない従業員もいると強調。十分な配慮を怠らないよう企業に注意を促した。 

(ニュース提供元:時事通信社)