【ワシントン時事】米財務省は18日公表したリポートで、基軸通貨ドルへの依存低下や暗号資産(仮想通貨)の普及などが米国の経済・金融制裁の効果を薄める可能性があるとの懸念を示した。その上で、同盟国を巻き込んだ多国間での実施など制裁の在り方を見直す必要があると訴えた。
 財務省によると、米国の経済制裁は2001年9月の同時多発テロ以降、増加基調にある。21年時点で制裁指定は9421件と、2000年の10倍となった。
 ただ財務省は、金融が複雑化する中、サイバー犯罪の増加や、中国など戦略的競争相手の台頭などで「制裁の効果に課題が生じている」と指摘。競争相手や一部同盟国がドルの使用を減らし、国境を越えた取引で米国の金融システムへの依存度を低下させていると分析した。
 さらに暗号資産や代替決済システムの発達といった「技術革新」が、敵対勢力に「伝統的なドルに基づく金融システムの外で資金を移動させる機会をもたらす」と懸念。新技術を活用し、「競争相手がドルの国際的な役割を減じさせる新たな金融・決済システム構築を目指している」と警戒した。 

(ニュース提供元:時事通信社)