【ロンドン時事】月末に英北部グラスゴーで開幕する国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、石炭火力発電の段階的な廃止が主要議題となる。これを背景に、温室効果ガスを大量に排出する石炭からの脱却を早める動きが欧州で加速している。一方、脱石炭の道筋を示すことができない日本への逆風は強まりそうだ。
 ドイツでは、9月末の総選挙で第1党となった中道左派・社会民主党(SPD)が第3党、第4党との連立交渉で、2030年までの脱石炭を目指すことで合意した。従来目標を8年前倒しする。COP26議長国の英国も今年、従来目標を1年繰り上げ、24年に石炭火力発電を全廃すると表明。ハンガリーも5年早め、25年の脱石炭を掲げた。
 ジョンソン英首相は「かつて石炭に電力を依存した英国の経験が示すように、脱石炭は可能だ」と訴え、先進国は30年まで、発展途上国も40年までの石炭火力廃止で合意するよう呼び掛けている。電力の大半を石炭に頼る中国やインドなどの対応が焦点だが、電力の3割超を石炭で賄う日本にとっても人ごとではない。
 英首相官邸によると、ジョンソン氏は13日の岸田文雄首相との電話会談でも、COP26の前に日本国内の石炭火力廃止を確約するよう要求。しかし、日本政府は7月に公表した「エネルギー基本計画」の改定案でも、電源構成に占める石炭の割合を30年時点で19%と設定している。
 政府内には「石炭を理由に日本は気候変動対策に後ろ向きだと見なされている」(関係者)との危機感はあるものの、東京電力福島第1原発事故以降、原発再稼働は進まず、脱石炭のめどは立たないまま。今後一段の国際的な圧力にさらされる可能性もある。 
〔写真説明〕洋上風力発電施設を視察するジョンソン英首相=8月5日、英スコットランド・アバディーンシャー沖(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)