【ワシントン時事】米政府は21日、気候変動が世界の国家安全保障に及ぼす影響に関する報告書を初めて公表した。地球温暖化に伴う海氷の減少で航路が広がる北極圏での資源獲得や、クリーンエネルギー技術をめぐる大国間競争が過熱すると指摘。主に中国やロシアを念頭に置いたもので、バイデン大統領は「気候変動こそ人類にとっての脅威だ」と警告を発した。
 バイデン政権は気候変動問題を外交と国家安全保障の柱に据えている。バイデン氏は報告書を踏まえ、今月末から英国で始まる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で各国・地域の首脳に対策強化を呼び掛ける方針だ。
 報告書は地政学的リスクが高まる地域として北極圏を挙げた。航路や資源を狙う中国や、軍備増強を図るロシアの動きについて「周辺国と紛争に発展するリスクがある」と強調。再生可能エネルギー関連製品の輸出大国である中国の台頭を受け、中国から太陽光発電設備や送電網にサイバー攻撃を仕掛けられる「インフラの脆弱(ぜいじゃく)性」にも警戒感を示した。 
〔写真説明〕ノルウェー・スバールバル諸島で溶けて海に流れるノルデンショルド氷河=9月21日(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)