世界で感染が広がる新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」。日本では空港検疫による確認にとどまっているが、専門家からは「市中で見つかる可能性は否定できない」との予測も出ている。厚生労働省は濃厚接触者の対象拡大など水際対策を強化。オミクロン株かどうか調べるスクリーニング検査も始め、警戒を強めている。
 国内では11月30日と今月1日、アフリカ南部ナミビアとペルーから入国した男性のオミクロン株感染が判明した。2人は成田空港の検疫でコロナ感染が分かり、国立感染症研究所による全遺伝情報(ゲノム)解析でオミクロン株が検出された。
 これまで検疫でコロナ陽性が明らかになった場合、厚労省は感染者の前後2列を含む計5列の座席を利用した航空機の乗客を濃厚接触の候補としてきた。先月30日からはオミクロン株の陽性が判明すれば、同乗者全員を濃厚接触者と見なす方針に転換。同株の感染力やワクチンの有効性などがはっきりしない中、「国民の不安も考えて」(後藤茂之厚労相)の判断だった。
 濃厚接触者は2日に1回を目安にPCR検査をする。指定宿泊施設での待機を求められ、14日間は外出できないため、「念入りに行動を確認することができる」(厚労省担当者)という。
 一方、厚労省幹部は「強い感染力が懸念され、水際だけで完全に防ぐのは難しい」と話す。今夏に感染「第5波」を起こしたデルタ株も、3月末に入国した人から空港検疫で確認された後、市中で拡大。8月にはほぼ全てがデルタ株に置き換わったとされる。
 市中での感染拡大を防ぐには、感染者の早期発見がかぎとなる。厚労省はゲノム解析の対象を広げ、オミクロン株のスクリーニング検査を始めるよう都道府県などに通知。当面はコロナ陽性者全員を検査対象とし、同省幹部は「市中で見つかったとしても封じ込め、広がらないようにする」と意気込む。 

(ニュース提供元:時事通信社)