20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が20日、米ワシントンで開かれる。世界経済はコロナ禍に加え、ロシアのウクライナ侵攻を受けた急激な物価高や、国際協調体制の分断という危機にさらされている。元財務官でみずほリサーチ&テクノロジーズの中尾武彦理事長と、外務省出身でロシア経済に詳しい一橋大学の岩崎一郎教授に話を聞いた。

 ◇グローバル化「逆流」の恐れ=G20維持には意義―中尾武彦元財務官
 ―世界経済の現状認識は。
 ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーや小麦などの価格高騰は、世界経済に大きなショックだ。天然ガスをロシアに依存する欧州や、資源輸入国である途上国への影響は大きい。新型コロナウイルスをめぐっても、中国の「ゼロコロナ」政策による供給制約は世界経済全体を下押しする。
 ―G20会合の展望は。
 世界経済の課題に加え、ロシアのウクライナ侵攻がもたらした危機的状況をどう制御していくかが問題になる。グローバル化に対しては格差問題や米中対立などから修正の動きは出ていたが、コロナ禍と戦争で国際的な貿易・投資関係を基盤としてきた世界が逆流する恐れがある。G20にはロシアも入っており、新興国各国の立場も異なるので成果を出すのは難しいだろう。それでも各国の財務相や中央銀行総裁が意見交換する枠組みを維持することには意義がある。
 ―G20会合後には先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議も開催される。
 G20会合の議論の準備としてG7を活用してきたが、G20でどのような結果になるか分からない。これまで以上にG7の団結を示したいということは十分にある。
 ―G7では円安など為替も議論されそうだ。
 G7声明は為替レートについて、「市場が決めるべきだ」ということと「急激な変動は好ましくない」ということを指摘してきた。後者の重要性が高まっているのではないか。