【ソウル時事】バイデン米大統領と韓国の尹錫悦大統領は21日、ソウルにある新大統領府の旧国防省庁舎で会談した。北朝鮮による核・ミサイル開発が加速する中、バイデン氏は韓国に「核の傘」を含む拡大抑止を提供する責務を再確認し、日米韓3カ国の協力の重要性を強調。覇権主義を強める中国を念頭に、経済安全保障協力や「自由で開かれたインド太平洋」を推進していく方針も申し合わせた。
 バイデン氏は、会談後の共同記者会見で「民主主義の価値とルールに基づく国際秩序を守る」と強調。「北朝鮮の脅威への対処を含め、抑止態勢を強化する」と決意を示した。尹氏は「(北朝鮮の)核攻撃に備えた合同訓練も必要だという議論をした」と述べた。
 初顔合わせとなった米韓首脳会談は、尹氏の就任から12日目という異例のスピードで実現。南北関係改善に傾倒し、中国に弱腰だった文在寅前政権で米韓同盟がぎくしゃくしたことから、バイデン氏は尹氏の就任直後に韓国を訪れ、関係改善をアピールした。
 会談後に発表された共同声明によると、両首脳は「朝鮮半島の完全な非核化」実現や米韓合同軍事演習の規模拡充、拡大抑止協議の活発化などを話し合った。
 また、日米韓3カ国の協力強化についても意見交換。バイデン氏は会見で「経済的にも軍事的にも、3カ国の関係が緊密であることが極めて重要だ」との認識を表明した。
 バイデン氏は、尹氏が日米豪印4カ国の連携枠組み「クアッド」への参加に関心を示していることを歓迎。両首脳は、台湾海峡の平和と安定維持の重要性も強調した。
 対中国では、技術・経済安保協力が主眼となった。新型コロナウイルスの世界的流行やロシアのウクライナ侵攻により、サプライチェーン(供給網)のもろさが露呈。米国は半導体など戦略物資の「脱中国依存」を急いでいる。両首脳は、米主導の経済圏構想「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」を通じ、緊密に連携する姿勢で一致した。 
〔写真説明〕21日、ソウルの新大統領府での首脳会談後、共同記者会見に臨むバイデン米大統領(左)と韓国の尹錫悦大統領(AFP時事)
〔写真説明〕21日、ソウルにある新大統領府で、バイデン米大統領(右)を迎える韓国の尹錫悦大統領(AFP時事)
〔写真説明〕21日、ソウルの新大統領府で首脳会談に臨むバイデン米大統領(右手前)と韓国の尹錫悦大統領(左手前)(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)