北海道・知床半島沖で26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故で、斉藤鉄夫国土交通相は24日、事故を起こした運航会社「知床遊覧船」の事業許可を取り消す方針を明らかにした。海上運送法上、最も重い行政処分に当たり、事故を受けての許可取り消しは初めてとなる。
 国交省は同日、処分に必要な聴聞を実施することを桂田精一社長(58)に通知。聴聞は6月14日に行われ、正式な処分は同月中旬となる見通し。
 同省は、事故翌日から実施している特別監査の結果も公表した。海上運送法違反が複数確認された上、昨年も事故を起こし特別監査を受けたのに、安全管理体制の改善が見られなかったと指摘した。閣議後の記者会見で斉藤国交相は「このまま事業を継続させると再び事故を起こす可能性が高いため、許可取り消しが適当だ」と説明した。
 海上運送法は、事業者に対し「安全管理規定」とそれに基づく「運航基準」を定め、順守することを義務付けている。今回の特別監査で、同法違反3件、規定違反17件が確認された。
 桂田社長は運航管理者に選任される際、同法が定める「運航管理の実務経験が3年以上」の要件を満たすと申告していた。しかし、実際は実務経験はなかった。桂田社長本人が聞き取りに対し、虚偽申告を認めたという。
 また、運航管理者は航行中事務所にいて船長と定期的な連絡をするべきだったのに、事故当日は不在だった。代行となる「運航管理補助者」が豊田徳幸船長(54)だけだったことも特別監査で判明した。 
〔写真説明〕運航会社「知床遊覧船」の事務所=2日、北海道斜里町

(ニュース提供元:時事通信社)