警察庁が富士山の噴火対策を本格化させていることが18日、分かった。富士山周辺に加え、首都圏でも火山灰が降ることを想定し、粉じん防護マスクなどを購入して各地の警察に配備する。専門家は「巨大地震後に噴火が起きるなどの複合災害に対する備えが必要だ」と強調する。
 政府の中央防災会議の作業部会は2020年4月、富士山噴火を想定した火山灰対策をまとめた。1707年の宝永噴火と同様の風向きでは首都圏に降灰し、車の通行不能や停電などが起きる可能性があるとして、関係機関に対策を検討するよう求めた。
 国家公安委員会と警察庁は21年6月、防災業務計画を修正し、火山灰対策として装備資機材の整備を初めて明記。同年度補正予算で粉じん防護マスク約9万5000個と災害活動用ゴーグル約6000個などの購入費として約2700万円を計上し、首都圏や活火山のある28の都道県警察に配備する。
 同庁は、火山噴火時に救助や避難誘導などで活動する警察官は応援部隊を含め約3万6000人と見積もる。23年度以降もマスクとゴーグルの配備を進める方針だ。
 各地の警察が独自で資機材を整備する動きもある。神奈川県警は道路に降り積もった灰を除去できる重機の「ホイールローダー」2台を保有する。警視庁は停電時に使用する発電機を増やした。
 神奈川、山梨、静岡各県警は富士山噴火を想定した訓練を実施し、マニュアルなどもある。ただ、警察庁には具体的な警備計画がまだなく、担当者は「今後策定する」としている。
 防災システム研究所の山村武彦所長は「防災では想定にとらわれずに『悲観的』に準備することが大事で、警察は富士山噴火の影響が長期になることを覚悟して資機材を備蓄すべきだ」と指摘。「現場の警察官に噴火で何が起こるか教えることや住民との情報共有も大事となる。巨大地震などと連続して起きる複合災害も想定しておくべきだ」と語った。 

(ニュース提供元:時事通信社)