【ブリュッセル時事】一時戦闘が下火になっていたウクライナ北東部ハリコフ州で、ロシア軍が過去数日、激しい空爆を加え再攻勢を強めている。シネグボフ州知事は21日、ロシア軍の攻撃により同州で15人が死亡したと通信アプリを通じて明らかにした。東部のドンバス地方から再び戦線が北へ広がり始めた。
 ハリコフ州ではウクライナ軍が5月、ロシア軍を国境付近まで押し戻し情勢は落ち着いていた。しかし、態勢を整え直したロシア軍が再び標的とし始めたもようだ。
 ウクライナ第2の都市の州都ハリコフでは8歳の子供も犠牲になったという。シネグボフ氏は「テロ行為だ」とロシアを糾弾した。
 一方、ロシア軍が完全制圧を急ぐドンバス地方のルガンスク州ではウクライナ軍が引き続き守勢を強いられている。ガイダイ州知事は22日、要衝の都市セベロドネツクに加え、さらに川を挟んで対岸にあるリシチャンスクが「現在、激しい攻撃にさらされている」と窮状を通信アプリで訴えた。
 ウクライナ情勢に関し、英国防省は22日の報告で、親ロシア派武装勢力「ドネツク人民共和国」の死者は16日時点で2128人、負傷者は8897人となったと指摘した。ドネツクの親ロ派にとって、これは当初の兵力の約55%に相当するという。
 こうした数字をもって、英国防省は「ドンバス地方でのロシア軍と親ロ派部隊の途方もない消耗を際立たせている」と分析している。ロシアとウクライナ双方が予備の部隊をどれだけ前線に投入できるかで戦争の勝敗が左右されそうだと今後の厳しい戦況を予想している。 
〔写真説明〕21日、ウクライナ北東部ハリコフで、ロケット弾によって前日破壊された大学の建物(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)