【ロンドン時事】ウクライナ南東部にある欧州最大規模のザポロジエ原発に砲撃が相次いでいることを受けて、ゼレンスキー大統領は11日夜の演説で「(ロシアという)テロ国家による最大の犯罪が起きている。世界全体への脅しだ」と批判し、放射能汚染事故など最悪の事態への警戒を訴えた。状況を懸念する国連は原発周辺を非武装地帯とするよう提案し、米政府もこれを支持した。
 ロイター通信によると、ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトムは、ザポロジエ原発が11日に5回の砲撃を受けたと発表した。ロシア軍の攻撃とされ、うち1回は放射性物質の貯蔵施設付近に被害が及んだ。一方タス通信は、ウクライナ軍が2回の砲撃を加え、施設要員の交代に支障が出たと伝えた。ロシア管理下にある同原発への攻撃をめぐり、両国は責任をなすり付け合っている。
 こうした中、グテレス国連事務総長は11日の声明で「原子力施設が軍事作戦の一環として使われることがあってはならない」と述べ、周辺での軍事活動停止を双方に要請。その上で地域の安全を確保する「非軍事化の安全な境界線」の設置を提案した。米政府も国連会合の場で、国連案に支持を表明するとともに、国際原子力機関(IAEA)による現場視察を実現するよう訴えた。 
〔写真説明〕ウクライナ南東部のザポロジエ原発=7日(ロシア国防省提供)(EPA時事)
〔写真説明〕グテレス国連事務総長=12日、ソウル(EPA時事)

(ニュース提供元:時事通信社)