【北京時事】中国各地を熱波が襲い、ダムや河川の水不足が深刻化している。水力発電量が減ったことで電力需給が逼迫(ひっぱく)。四川省や重慶市では計画停電が始まった。現地の日系メーカーも工場の操業停止を強いられており、経済活動への影響が長期化する事態が懸念されている。
 中国では今夏、中部や南部の多くの地域で40度を超える記録的な猛暑となり、エアコンの利用が増えたことなどから電力需要が急増した。日照りが続き、中国最大の川である長江の水位は8月以降、急激な低下に見舞われている。
 中国メディアによると、電力不足は水力発電への依存度が8割を超える四川省で特に深刻になっている。同省は工場の操業停止に加え、家庭やオフィスへの電力供給制限を実施。トヨタ自動車の合弁工場などで操業が止まっている。四川省は近隣の省へ電力を供給する拠点だが、省内で十分な電力を確保できず、その影響が各地へ波及しているもようだ。
 中国では昨年も石炭不足で電力が足りなくなった。日系の大手電機メーカー関係者は「電力の安定は投資先を決める際の重要な要素だ」と話す。
 中国共産党系の環球時報は18日付の紙面で、四川省が近隣の省から電力の緊急融通を受ける必要があるとする有識者の見解を掲載した。ただ専門家は、送配電システムの課題などがあり、融通は「簡単ではない」と指摘。全国的な電力不足が長引く恐れがあるとの見方を示している。
 中国の景気は厳格な新型コロナウイルス対策などを背景に悪化している。工場の操業停止が長期化すれば、生産や輸出が一段と落ち込むことは避けられず、世界経済にも影響を与えそうだ。 
〔写真説明〕猛暑による水不足で干上がっている長江=17日、重慶市(ロイター時事)

(ニュース提供元:時事通信社)