北海道・知床半島沖で観光船「KAZU I(カズワン)」が沈没した事故を受け、国土交通省は30日、検査を代行する「日本小型船舶検査機構」(JCI)が検査事務規定を改正し、同省が認可したと発表した。来年1月1日以降の検査から新たな方法で実施される。
 JCIが検査時、船を陸に揚げた上での船体確認や、主機関などの動作確認を省略する運用を行っていたことが事故後に発覚。カズワンについても同様に、船底の状態確認を省いていた。
 新しく認可された検査方法では、こうした省略措置を撤廃し、定期検査、中間検査ともに陸揚げし、主機関や排水設備などの動作確認を毎回行う。電気機器や救命いかだの点検回数も増やす。
 一方、浸水拡大を防ぐ「水密隔壁」の検査は今回の改正でも盛り込まれなかった。カズワンの運航会社「知床遊覧船」の関係者によると、同船の隔壁には人為的な穴が開けられていたとみられる。ただ、水密隔壁の設置が法令上求められていないため、事故前の検査で確認していなかった。
 同省検査測度課の担当者は「法令で水密隔壁が必要と定められないと、検査項目に追加するのは難しい」と話した。 

(ニュース提供元:時事通信社)