【北京時事】中国で新型コロナウイルスの感染が急拡大している。25日の新規感染者数は約3万5000人と過去最多を連日更新。移動制限や地区の封鎖といった規制措置が全国的に強化されており、一部日系企業も操業停止を余儀なくされた。当局が「ゼロコロナ」政策を堅持する中、経済停滞が長期化するとの懸念が高まっている。
 11日に中心部で実質的なロックダウン(都市封鎖)が始まった重慶市。日本貿易振興機構(ジェトロ)成都事務所によると、重慶市では複数の日系メーカーが従業員を工場に寝泊まりさせて生産を続けているが、操業停止を強いられるケースも出ている。ホンダは感染状況の悪化などを踏まえ、来月2日までの停止を決定。ヤマハ発動機も今月中旬、1週間超にわたって稼働を停止したという。
 河南省鄭州市にある米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を生産する台湾企業の巨大工場では今月下旬、待遇への不満の高まりなどを受け、従業員による大規模な暴動が起きた。同工場は泊まり込み勤務が1カ月程度続いたとされる。日系メーカーの関係者は「従業員のストレスを考えると、泊まり込みは3週間が限界だ」と指摘した。
 野村ホールディングスの推計によれば、行動規制の対象となっているのは今月下旬時点で総人口の4分の1を上回る4億人超。サプライチェーン(供給網)も滞り始めており、部品調達に苦労する企業が増えている。
 中国では今年、感染対策の緩和後に感染者が増加し、再び対策が強化される「悪循環」が繰り返されてきた。中国政府は今年の成長率目標を「5.5%前後」に設定しているものの、ゼロコロナが重しとなり、2~3%台にとどまるとの見方が広がっている。 
〔写真説明〕新型コロナウイルス対策で封鎖された住宅地の近辺を消毒して回る防護服姿の作業員=26日、中国北京市(AFP時事)
〔写真説明〕中国重慶市の高速鉄道駅に設けられたPCR検査場。市外から到着した旅行者やビジネス客は検査が義務付けられている=9月6日

(ニュース提供元:時事通信社)