2022/11/28
防災・危機管理ニュース
【ロンドン時事】ウクライナのゼレンスキー大統領は27日夜のビデオ演説で、ロシア軍が「新たな攻撃を計画している」と警告した。具体的には触れていないが、ロシアは発電施設などを標的に執拗(しつよう)に攻撃を続け、ウクライナ全土で電気や暖房の供給不足が深刻化。厳しい冷え込みが予想される中、インフラ攻撃が一段と激化すれば、住民生活への甚大な影響は避けられない。
ゼレンスキー氏は「テロリスト(ロシア軍)が新たな攻撃を計画しているのは確実だ。彼らはミサイルを手にしている限り、残念だが(攻撃を)やめない」と指摘。「(寒さが厳しくなる)来る週はこれまでと同様に厳しいものになる」とし、互いに支え合って団結するよう促した。
首都キーウ(キエフ)では27日、降雪があり、気温も氷点下前後まで低下。今週半ばからは最高気温が0度以下の日が当面続くという予報だ。そうした中、前線で苦戦するロシアは、ミサイル攻撃によるインフラ破壊を通じて電力危機を意図的に引き起こす「冬の兵器化」を続行。住民らは十分な暖房のない生活を強いられており、攻撃強化で状況のさらなる悪化が懸念される。
一方、戦況に関しては、冬の寒さはウクライナ側に有利に働くとの見方もある。英軍事専門家マイケル・クラーク氏は27日、スカイニューズ・テレビとのインタビューで「氷点下の気温が続き、地面が凍る。塹壕(ざんごう)にいる兵士には凍死者も出る」とする一方、「(西側の支援で)より良い装備を持ち、ロジ面も充実し、良い食料を得られる」ウクライナ部隊の方が、これらに乏しいロシア軍より善戦する可能性が高いと予想した。
〔写真説明〕ウクライナのゼレンスキー大統領=26日、キーウ(キエフ)(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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