2023/01/30
防災・危機管理ニュース
【パリ時事】世界保健機関(WHO)が新型コロナウイルスについて、2020年1月に緊急事態を宣言して30日で3年を迎えた。日本は先週、新型コロナの感染症法上の位置付けを5月から季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げることを決定し、正常化へ踏み出そうとしている。一方、中国で感染拡大を徹底的に封じ込める「ゼロコロナ」政策が破綻したほか、オミクロン株の新系統が出現するなど、宣言解除には不安要素も付きまとう。
WHOは専門家による緊急委員会を3カ月ごとに開催。30日に協議結果が公表された直近の第14回会合でも宣言解除の提言に至らず、WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の継続を確認した。
ただ、緊急委はコロナのパンデミック(世界的大流行)が「節目」に差し掛かっているとも指摘。この局面を乗り切るには慎重な対応が重要だと呼びかけるとともに、「緊急事態が今後数カ月で終了した場合」を想定した検討をWHOに要請した。
3年前、WHOは緊急事態宣言から1カ月余りでパンデミックを表明、全力での感染防止を訴えた。しかし、新型コロナはアルファ株、デルタ株、オミクロン株と次々に変異しながら猛威を振るい、全世界で感染者・死者が増加。多くの国で外出や企業活動を制限する都市封鎖(ロックダウン)措置が導入され、社会生活は一変した。
その後、ワクチンの普及などを受けて死者数が大きく減少すると、テドロスWHO事務局長は昨年9月の記者会見で、パンデミックの「終息が視野に入った」と発言。同12月には「緊急事態の終了が23年に宣言されると期待している」と踏み込んだ。
ところが、状況は年末年始に悪化。中国の混乱に加え、米国でオミクロン株の新系統「XBB・1・5」が急拡大した。テドロス氏は今月24日の会見で「多くの国の情勢や死者数の増加を懸念している。このウイルスを侮ってはいけない」と強調し、楽観的な見方を修正した。
WHOによると、世界の累計感染者数は27日時点で7億5250万人を超え、680万人余りの死亡が報告された。
〔写真説明〕新型コロナウイルスに関する世界保健機関(WHO)の緊急委員会後、記者会見するテドロス事務局長=2020年1月、ジュネーブ(EPA時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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