2023/03/20
防災・危機管理ニュース
気候変動による地球温暖化の影響により、日本でも夏の猛暑日が増加し、熱中症による死者数は高止まりとなっている。政府は法改正によって、熱中症の「特別警戒情報」を新設し、冷房の利いた避難所開設を自治体が進めやすくするなどして影響を食い止めたい考えだ。
最高気温が35度以上の猛暑日について、気象庁が都市化の影響を受けにくい国内13地点でおよそ100年前と比較したところ、1939年までの30年間は平均約0.8日だった。これに対し2022年までの30年間は約2.7日と、3倍以上に増えた。
温暖化を背景に、熱中症による死者も増加しており、近年は毎年のように1千人を超えている。22年は6~9月で1387人(速報値)が亡くなったとされる。
こうした中で、環境省が進める対策強化の一つが「特別警戒情報」の新設だ。現在は、気温や湿度に基づく暑さ指数が一定以上になると、「熱中症警戒アラート」を発表している。これを強化し、命の危険がある暑さが見込まれる場合には法に基づく特別警戒情報を出す。
さらに、冷房がある公民館や図書館などを「クーリングシェルター」に指定。特別警戒情報が出された際に開放し、冷房のない世帯などに避難を勧める方針だ。
同省は、こうした対策を盛り込んだ気候変動適応法改正案を今国会に提出した。特別警戒情報などは来夏には開始したい考えで、同省担当者は「熱中症は対策を取れば防げる。これまで大丈夫だったからと考えず、エアコンの使用や外出抑制などで身を守ってほしい」と呼び掛けている。
(ニュース提供元:時事通信社)
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