2023/03/23
防災・危機管理ニュース
インフルエンザの流行が収まらない。定点医療機関当たりの患者報告数は、12日までの1週間で11.10人に上り、注意報レベル(同10人)を超えた状態が続く。報告数も約1カ月ぶりに増加しており、専門家は「6月ごろまでは警戒を」と呼び掛ける。
厚生労働省は、全国約5000の医療機関からの患者報告数を集計し公表している。昨年12月28日には、1機関当たり「1人」を超えたため流行期に入ったと発表。報告数は増え続け、今年1月下旬には4週間以内に大流行が起きる可能性を示す注意報の水準を上回った。
その後、報告数は2月第2週の12.91人をピークに減り始めた。しかし、3月第2週(6~12日)は前週比0.93人増の11.10人で、約1カ月ぶりに増加に転じた。新型コロナウイルス流行前の2019年同時期と比べても、高い水準だ。
都道府県別では、最多は岩手の26.03人で、富山(26.02人)、石川(25.08人)が続く。10人を超えたのは、全国で計27都道府県に上った。
国立感染症研究所によると、3月第2週の受診患者数は全国で推計約31万8000人に上り、前週より約2万9000人増えた。昨年9月以降の累計は約320万4000人と推計される。
感染症に詳しい慶応大の菅谷憲夫客員教授は「3年ぶりの流行で免疫がない人も多い。脱マスクなど新型コロナ対策の緩和もあり、急な収束は考えにくい」と分析。現在のような小規模流行が続くとした上で「海外の例を基に考えると、6月ごろまでは警戒が必要だ」と予測する。
菅谷氏は、特に幼児は免疫がない恐れが強く、感染時に脳炎を発症するリスクもあって注意が必要だと指摘。幼児に加え、死亡リスクが高い高齢者らについて「今後もマスク着用や手洗い、うがいの徹底などを続けてほしい」と訴えている。
(ニュース提供元:時事通信社)
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