「ハイフ(HIFU)」という超音波技術を使った美容施術を受けた後、顔の神経に障害が出るなどの被害が相次いでいるとして、消費者安全調査委員会(消費者事故調)は29日、施術者を法規制により医師などに限定することを求める報告書をまとめた。
 ハイフは「高密度焦点式超音波」の略称で、超音波で皮膚を傷つけずに皮下組織を加熱できる。前立腺がんの治療などに用いられるほか、美容クリニックやエステサロンでも美容目的で施術が行われている。
 事故調によると、ハイフによる事故は2015年に初めて報告されてから増加傾向にあり、22年12月までに135件あった。特にエステサロンでの事故が増えており、17年には国民生活センターが注意を呼び掛けた。
 エステ業界の主要団体はハイフ施術を禁止したが、事故調の調査によると、団体に加盟しているエステサロンは1割程度。未加盟のエステのうち約2割がハイフ施術を行っているとみられる。
 事故調は、ハイフ施術は適切に行わなければ顔の神経障害などを起こすリスクがある難しい施術だと指摘。安全上信頼性の低い機器を使い、必要な知識が不十分なまま施術を行ったことが事故の原因だとして、施術者を医師などに限定することや、輸入機器の流通監視を強化することを厚生労働相に求めた。 

(ニュース提供元:時事通信社)