2023/04/24
防災・危機管理ニュース
【北京時事】中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会は24日から「反スパイ法」改正案を審議する。スパイ行為の定義を拡大し、摘発を一層強化する内容で、恣意(しい)的な運用への懸念が強まっている。審議は今回で3回目となり、26日にも採択される可能性がある。
改正案はスパイ行為について、従来の「国家機密の提供」に加え、「国家の安全や利益に関わる文書、データ、資料、物品」の窃取などを盛り込んだ。「国家の安全や利益」の具体的な説明はなく、当局の解釈や運用次第で摘発が増える恐れがある。
「重要な情報インフラ施設のサイバーセキュリティーの脆弱(ぜいじゃく)性に関する情報の提供」もスパイ行為と定義。また、スパイ活動の摘発に科学技術を活用することも明記した。
摘発を担当する国家安全当局の権限も強化する。スパイ行為の疑いがある人物への手荷物検査が可能になるほか、個人や組織の「電子機器、施設、プログラムやツール」の調査や差し押さえができるようになる。「国家の安全」に危害を与え得る国民の出国や、外国人の入国を禁じることもできる。
反スパイ法は2014年に施行され、改正は初めて。今年3月には北京で、同法に違反した疑いで50代の日本人男性が国家安全当局に拘束される事案が発生した。法施行後、これまでにこの男性を含め日本人17人が同法違反などで拘束されているが、容疑の具体的な内容は不明だ。
〔写真説明〕中国・北京の天安門広場=2022年10月(AFP時事)
(ニュース提供元:時事通信社)

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