岸田文雄首相は25日午前、アフリカ北東部スーダンからの邦人退避に関し、首都ハルツームにいた全希望者の避難が完了したと明らかにした。また、新たに日本大使館関係者を含む邦人とその家族計8人がフランス政府の協力で出国したと公表した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 一方、周辺国のジブチで対応に当たる武井俊輔外務副大臣は24日午後(日本時間25日未明)、スーダンから退避した邦人とその配偶者ら計45人が自衛隊機でジブチに到着したと記者団に発表した。
 これとは別に、フランスや国際赤十字の協力で邦人とその家族計5人がジブチやエチオピアに出国。退避者は累計58人になった。松野博一官房長官は25日午前の記者会見で、退避希望の邦人は比較的治安が安定した南部の国境付近に滞在する1人になったと説明した。
 首相はフランスに対する謝意を表明。その上で「交戦状態が続く、危険かつ困難な状況の中、退避を完遂した大使館関係者の勇気と責任感あふれる行為は称賛に値する」と語った。
 政府によると、ジブチに着いたのは邦人41人とその配偶者や子どもの4人で、スーダン人、米国人、カナダ人が含まれる。NGOや国際協力機構(JICA)、大使館の関係者らで未成年も12人いる。また、フランスなどの協力で出国した13人中3人は外国籍という。
 武井氏は「大変疲れた様子だったが、健康状態に大きな問題は見られない。要望を聞き帰国などを調整したい」と語った。
 45人はハルツームから東部のポートスーダンに移り、ジブチまで航空自衛隊のC2輸送機で退避した。武井氏は安全確保を理由にポートスーダンまでの移動手段は明らかにしなかったが、「しっかりと守られた状態で移動した」と説明した。
 武井氏は、退避を巡って米英独仏や韓国、アラブ首長国連邦(UAE)、サウジアラビア、国連などの協力を得たとして、謝意を示した。
 スーダンでは正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の衝突が続いている。武井氏は、残る在留邦人について「コンタクトは取れている」と述べた。在スーダン大使館の日本人職員は全員が退避を終え、外務省は同大使館を一時閉鎖。ジブチに臨時事務所を置いて業務に当たる。 
〔写真説明〕スーダンから退避した在留邦人らと言葉を交わす武井俊輔外務副大臣(右手前から1人目)=24日、ジブチ(外務省提供)

(ニュース提供元:時事通信社)