2023/04/30
防災・危機管理ニュース
先進7カ国(G7)が群馬県高崎市で開いていたデジタル・技術相会合は30日、人工知能(AI)を適切な規制の下で活用して「信頼できるAI」を目指す共同声明を採択し、閉幕した。対話型AIの「チャットGPT」をはじめ、急速に進化するAIの国際的な技術標準づくりなどを盛り込んだ行動計画も策定した。革新的な技術のルール作りに関しては、民主主義の理念に基づく「5原則」を表明した。
閉幕後、議長国の立場で記者会見した松本剛明総務相はチャットGPTなどの生成AIについて「議論は緊急課題で、政治主導で進める」と語った。今回の討議結果を5月のG7首脳会議(広島サミット)に報告。今年後半にも改めて閣僚級会合を開き、規制の在り方などについて協議する。
生成AIは、プライバシーや著作権の侵害など問題点が指摘されている。声明はAI全般について、「開発が急速で、社会に重大な影響を与える可能性がある」と強調。さらに、「民主主義の価値を損なうようなAIの誤用・乱用に反対する」と表明した。G7各国がAI規制の違いを認めつつ、普及を阻害しないよう相互理解に取り組む必要性にも言及した。
一方、AIのほか、バイオ・量子テクノロジーなど新興技術の開発や利用に関するルール整備に当たり、(1)法の支配(2)適正な手続き(3)民主主義(4)人権尊重(5)イノベーションの機会の活用―の5原則を順守することも声明に掲げた。日本が提唱した「信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)」を推進するため、国境を越えたデータ移転を促進する国際的な枠組み「IAP」の設立でも合意した。
〔写真説明〕先進7カ国(G7)デジタル・技術相会合が閉幕し、記者会見する松本剛明総務相(中央)と河野太郎デジタル相(右端)。左端は太田房江経済産業副大臣=30日午後、群馬県高崎市
〔写真説明〕共同声明を採択した先進7カ国(G7)デジタル・技術相会合=30日午後、群馬県高崎市
(ニュース提供元:時事通信社)


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