【ブリュッセル時事】ウクライナでは29日から30日にかけて、ロシア軍のミサイル攻撃が相次いだ。東部ドニエプロペトロフスク州ニコポリでは住宅などが、北東部ハリコフ州クピャンスクでは倉庫や自動車が破壊された。人的被害はなかった。ウクライナのメディアが30日、報じた。
 ニコポリは、ドニエプル川を挟んで、ロシア軍が占拠するザポロジエ原発と向かい合う対岸に位置する。クピャンスクは最近、博物館が攻撃を受け、被害が大きく報じられたばかりだ。
 ウクライナのゼレンスキー大統領は29日、中部チェルカスイ州ウマニで28日に起きた高層住宅への攻撃を非難した。ロシアの指導部から軍の上官、現場の兵士に至るまでミサイル攻撃に関わった全員が「テロリストであり殺人者だ」と強い憤りを示した。この全員の責任を問い「罰せられなければならない」と世界に呼び掛けた。ウマニでの犠牲者は23人で、うち6人が子供だった。
 ロシア軍による連日のミサイル攻撃には、ウクライナ軍が計画する大規模な反転攻撃をけん制し、ウクライナ軍が獲得した対空兵器を試す意図があるとみられている。 

(ニュース提供元:時事通信社)