【シドニー時事】米パプアニューギニア両政府は22日、米軍がパプア国内の港や空港などを利用できるようにする防衛協力協定を締結した。バイデン米大統領の代理としてブリンケン国務長官がパプアの首都ポートモレスビーを訪れ、マラペ首相らと署名文書を交わした。太平洋島しょ地域への中国の進出に対抗するのが米側の狙いだ。
 ブリンケン氏は席上「われわれは共に未来をつくっていく。パートナー関係をより高い次元にするのを楽しみにしている」と強調。マラペ氏も「米国との関係を一般的なものから特別なものに格上げする」と語った。
 両国はまた、パプアの海上保安能力強化のため、米国の沿岸警備隊の実習にパプアの要員参加を認める協定も結んだ。米国務省によると、米側は総額4500万ドル(約62億円)の支援を表明。パプア軍に防弾チョッキやゴーグルを提供するほか、鉱物資源管理、治安、防災体制の強化策などに充てる。
 ブリンケン氏は22日、太平洋諸島フォーラム(PIF)加盟の18カ国・地域の首脳との会議にも出席。「保健、気候変動危機、経済成長など優先度の高い分野で協力を強化する」と述べた。今年秋にワシントンで島しょ国との2回目の首脳会議を開くことも伝えた。 
〔写真説明〕22日、ポートモレスビーで、防衛協力協定に署名するブリンケン米国務長官(左)とパプアニューギニアのダキ国防相(AFP時事)

(ニュース提供元:時事通信社)