サイバー保険の名目で高齢者から現金約1700万円をだまし取ったとして、愛知県警などは24日までに、詐欺容疑で中古ブランド品販売会社の実質経営者宮代東生(35)=埼玉県川口市=、同社代表本間周平(35)=東京都新宿区=両容疑者を逮捕した。県警は2人の認否を明らかにしていない。約6億円分の暗号資産が同社の取引所口座に入金されており、県警などは特殊詐欺の被害金をマネーロンダリング(資金洗浄)していたとみて調べている。
 県警組織犯罪特別捜査課によると、約1700万円は暗号資産に交換されており、昨年4月に発足した警察庁のサイバー特別捜査隊が解析したところ、複数の口座に分散され、最終的に同社名義の口座に集まり、換金されていた。特捜隊の暗号資産解析により、特殊詐欺事件の容疑者を摘発したのは初めてという。
 逮捕容疑は昨年2~4月、仲間と共謀し、セキュリティー関連の協会職員や警察官をかたって愛知県知多市の会社員女性(78)に電話。「携帯電話がウイルス感染して遠隔操作され、多くの被害者が出た。弁済義務があり、サイバー保険に入れば補償が受けられる」などとうそを言い、宮代容疑者らが管理する口座に39回にわたり、計1759万円を振り込ませた疑い。 

(ニュース提供元:時事通信社)